LLM の API 費用を下げる7つの手 — 効く順に試す
LLM の費用が想定を超えたとき、最初にやるべきは安いモデルへの変更ではない。効果の大きい順に7つの手を並べる。上から3つで大半のケースは収まる。
編集部
AI Tools Hub 編集部 · 公開 2026-11-01

効く順に7つ
| 手段 | 効果 | 手間 |
|---|---|---|
| 1. プロンプトキャッシュを使う | 大 | 小 |
| 2. 入力プロンプトを短くする | 大 | 中 |
| 3. 用途ごとにモデルを分ける | 大 | 中 |
| 4. 同じ問い合わせをアプリ側でキャッシュ | 中〜大 | 中 |
| 5. バッチAPIに回す | 中 | 小 |
| 6. 出力の長さを制限する | 中 | 小 |
| 7. 安いモデルに全面的に替える | 中 | 大(品質低下の検証が要る) |
1. プロンプトキャッシュ
同じ前置き(システムプロンプト、参照文書)を繰り返し送る構成では、キャッシュ対応のモデルを使うと入力分が大幅に安くなる。提供元によってはキャッシュ済み入力が通常の10分の1程度になる。
条件は、キャッシュする部分がリクエストの先頭にあり、完全に一致することである。ユーザーの入力を前のほうに置く実装だとキャッシュが効かないので、順序を見直す。
2. 入力を短くする
RAG で上位20件を渡しているなら、5件に減らして品質が落ちるか試す。多くの場合、落ちない。検索の精度が十分なら、件数を増やしても雑音が増えるだけである。
会話履歴も同じで、全部を毎回送る実装になっていることが多い。直近数ターン+要約に変えると、長い会話での費用が頭打ちになる。
3. 用途ごとにモデルを分ける
分類、抽出、ルーティングのような単純な判断に最上位モデルは要らない。安いモデルや小さいモデルで十分な精度が出る。最終的な文章生成だけ賢いモデルに回す。
どこを下げられるかは、実際に両方で出力を比べて決める。勘で下げると品質が落ちた理由が分からなくなる。
4〜6
アプリ側のキャッシュは、同じ質問が繰り返されるFAQ的な用途で効く。Helicone のようなゲートウェイを使うと実装せずに済む。バッチAPIは即時性が要らない処理で半額程度になる提供元がある。出力の上限トークン数は、長文が不要な処理で設定しておくと暴走を防げる。
7. モデルを替える前に測る
全面的に安いモデルへ替えるのは最後である。替える前に、自分のタスクでの品質差を測る評価セットを作る。20〜30件の代表的な入力と期待される出力を用意して、両方のモデルで比べる。
この評価セットは一度作れば資産になる。モデルが更新されるたびに回せば、乗り換えの判断が勘ではなくなる。
よくある質問
- Q. どこから手を付けるべきですか。
- A. まず何にいくらかかっているかを測ってください。観測ツールで用途別のトークン数を出すと、たいてい1つの処理が費用の大半を占めています。そこだけ直せば済むことが多いです。
- Q. 安いモデルで品質は落ちませんか。
- A. タスクによります。分類や抽出では差が出ないことが多く、長文の生成では差が出ます。評価セットを作って測ってください。

