医療記録をAIに書かせる — 国内で検討する際の前提
診察中の会話から記録を作る仕組みは実用段階に入っている。ただし国内で使うには、規制と同意の整理を先に済ませる必要がある。以下は検討の観点で、導入の可否は所管の指針で確認する。
編集部
AI Tools Hub 編集部 · 公開 2026-11-01

何が自動化されるのか
診察中の会話を録音し、その内容から診療記録の下書きを作る。医師が確認して修正し、確定する。記録を書く時間が削られることで、診察に使える時間が増える、という構造である。
海外では Abridge のようなサービスがこの領域で使われている。国内での導入は、以下の点を整理してからになる。
確認すべき点
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | 診療情報は要配慮個人情報に該当する |
| 同意 | 録音と外部処理について患者の同意をどう取るか |
| 保管場所 | 音声と記録がどこに保存されるか |
| 記録の責任 | 最終的な記録の責任は医師にある前提の運用 |
| 所管の指針 | 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン |
同意の取り方
録音して外部のサービスで処理することについて、患者に説明して同意を得る。同意しない患者への対応(従来の方法で記録する)を用意しておく。
包括的な同意を受付時に取る方法と、診察のたびに確認する方法がある。どちらにしても、同意しない選択ができる状態にする。
精度の検証
導入の判断は、自院の診療科の実際の会話で検証する。薬剤名、検査名、専門用語の精度が診療科ごとに違う。一般的な会話での精度は参考にならない。
特に薬剤名の誤りは重大な結果につながる。生成された記録をそのまま確定する運用にはしない。
削減されるのは記録の時間だけ
期待を正しく設定する。削減されるのは記録を書く時間で、診察そのものの時間や判断の時間は変わらない。導入の効果を見積もる際は、記録に使っている時間を実測してから計算する。
小規模な医院での現実
導入と運用の手間、同意の運用、職員への説明を含めると、小規模な医院では負担が効果を上回ることがある。まず記録のどの部分に時間がかかっているかを特定し、定型文の整備など、より単純な手段で解決できないかを検討する。
よくある質問
- Q. 電子カルテとの連携は必要ですか。
- A. 連携がないと、生成された記録を手で転記することになり効果が薄れます。使っている電子カルテとの連携可否を先に確認してください。


