国内営業でAIを使う — 商習慣に合わない部分をどう扱うか
海外製の営業AIは、メールで接触してオンラインで商談し、メールで受注する前提で作られている。電話と訪問が残る市場では、効く工程が違ってくる。
編集部
AI Tools Hub 編集部 · 公開 2026-11-01

前提のずれ
| 海外ツールの前提 | 国内の実態 |
|---|---|
| メールで接触できる | 担当者のメールが取れない・代表電話経由 |
| 役職と担当範囲が公開されている | 名簿が外に出ていない |
| 意思決定者が1〜2名 | 稟議で複数部門が関与する |
| 商談はオンラインで完結 | 訪問が入る・紙の資料が求められる |
| 契約はクレジットカード | 請求書払い・年度予算 |
このずれがあるため、海外ツールの「リストを作って一斉送信」という中核機能が、そのままでは機能しないことがある。
それでも効く工程
商談の記録作成(録音からの要約・CRMへの転記)提案資料の下書き(過去の資料からの流用)稟議資料の作成支援(相手社内で回る資料)問い合わせへの一次回答(インバウンド)公開情報からの企業調査(訪問前の下調べ)
共通するのは、接触の自動化ではなく、接触の前後にある作業の省力化である。1件あたりの工数が下がれば、同じ人数で扱える件数が増える。
稟議資料を作る支援
日本の法人営業で見落とされやすいのが、相手の担当者が社内を通すための資料を作っているという事実である。ここを手伝うと受注率が変わる。
具体的には、相手の社内で回せる形の比較表、導入効果の試算、想定される質問への回答集を用意する。この生成はAIが得意な作業で、しかも競合がやっていないことが多い。
電話が残る前提での設計
インサイドセールスが電話を使う組織では、通話の記録と要約の自動化が効く。1日30件電話して、記録を書く時間が1件3分なら、90分が消えている。ここを削ると架電数が増える。
一方、架電そのものをAIに置き換える構成は、国内のB2Bではまだ慎重に見たほうがよい。相手が気づいたときの印象の悪さが、得られる効率を上回る場面が多い。
国産ツールを見る場面
商談記録と活動管理を日本語前提で作っているツールは国内にある。既存のCRMとの接続、日本語の解析精度、サポート体制で選ぶことになる。
よくある質問
- Q. 海外ツールは使えないのですか。
- A. 商談記録や資料作成の支援としては十分使えます。使えないのは、日本企業のリストを作る部分と、メール一斉送信を主戦場にする部分です。工程で切り分けてください。


