日本語の音声エージェントでつまずく6点
音声AIを英語のデモで決めると、日本語で運用したときに別物になる。実際につまずく6点を、対処とあわせて順に挙げる。
編集部
AI Tools Hub 編集部 · 公開 2026-11-01

1. 数字と固有名詞の読み
最初に試すべきはここである。「1,500円」「3月15日」「株式会社〇〇」が正しく読まれるか。金額と日付の読み間違いは聞いた人に誤情報を与えるので、他のどの評価より先に確認する。
対処は読み仮名の辞書登録である。登録機能があるか、何語まで登録できるかを導入前に確認しておく。
2. 聞き返しで分数が膨らむ
相手が高齢だったり、周囲が騒がしかったりすると、聞き返しが増える。1件3分で見積もった通話が6分になれば費用は倍である。
対処は質問文の設計で、はい・いいえで答えられる形に寄せる。自由回答を求める質問は聞き取りの失敗が増え、往復が長くなる。
3. 敬語の階層
英語前提の生成では、丁寧さの度合いが一定に保てない。同じ通話の中で「です・ます」と「でございます」が混在すると、聞いていて落ち着かない。
対処は指示文で基準を1つに固定することと、出力例を複数与えることである。言葉で「丁寧に」と指示するより、望ましい応答を3つ見せるほうが揃う。
4. 謝罪の文言
「申し訳ございません」が自動で出ると、こちらの責任を認めた記録になり得る。苦情の一次受けをAIに任せるなら、謝罪の表現を制御できるかを必ず確認する。
対処は、共感の表現(「ご不便をおかけしております」)と謝罪(「弊社の責任です」)を区別して、後者を出さない指示を入れること。制御できない製品は、苦情対応に使わない。
5. 録音の告知
通話を録音して文字起こしする構成になるため、録音することの告知が要る。冒頭の自動音声で伝えるのが一般的である。あわせて、保存先・保持期間・学習利用の有無を確認しておく。
6. 遅延
文字起こし・推論・音声合成を順に通すため、人同士の会話より間が空く。電話では0.5秒の沈黙が長く感じられ、相手が「聞こえていますか」と言い始める。
対処は、速いモデルを使うことと、沈黙の間に相槌や「確認しております」といった音を挟むことである。後者は実装で対応できる。
導入前のチェックリスト
金額・日付・社名を実際に読ませて聞く想定より騒がしい環境の音声で試す敬語の基準を1つに固定できるか謝罪表現を制御できるか録音告知の文言と、保存・学習の条件応答までの実測秒数
よくある質問
- Q. どこから任せるべきですか。
- A. 営業時間・所在地のような定型の問い合わせだけから始めて、それ以外は即座に人へ転送する設計にしてください。転送率を見ながら範囲を広げるのが安全です。


