ベクトルDB 4種の比較 — Pinecone・Qdrant・Weaviate・Chroma
RAG の検索層にどれを選ぶか。Pinecone・Qdrant・Weaviate・Chroma の4つを、無料枠の中身・課金の数え方・セルフホストの可否・周辺機能で並べる。料金は2026年11月時点で各社の公式料金ページで確認した値。
編集部
AI Tools Hub 編集部 · 公開 2026-11-01

一覧
| Pinecone | Qdrant | Weaviate | Chroma | |
|---|---|---|---|---|
| 無料枠 | 5索引・2GB・1リージョン | 0.5 vCPU・1GB・永年 | 10万オブジェクト・1GB | $0+$5分のクレジット |
| 最安の有料 | $20/月(定額) | 従量課金 | $45/月〜(従量) | $250/月(Team) |
| OSS 版 | なし | あり | あり | あり |
| 自社インフラ | 不可 | Hybrid / Private Cloud | Enterprise Edition | OSS を自前運用 |
| 埋め込み生成 | あり | Free Tier で一部提供 | あり | なし |
| 全文検索 | — | — | — | ベクトルと同じ engine で対応 |
規模ごとの選び方
試作(〜10万ベクトル)
どれでも無料枠に収まる。選ぶ基準は、自分が書きやすいクライアントライブラリがあるかどうかくらいでよい。この段階で深く悩む価値はない。
小規模な本番(〜100万ベクトル)
Pinecone の Builder が月$20の定額で、この規模には収まりやすい。使用量を気にしなくてよいことの価値が大きい段階である。
中規模以上(100万〜)
従量課金の額が無視できなくなり、自前運用との比較が成立しはじめる。ただし自前運用はサーバー代だけでなく、アップデート・バックアップ・障害対応の人件費が乗る。月数万円の節約のために担当者を1人縛るのは割に合わない。
全文検索も要るなら Chroma
ベクトル検索だけでは、型番や固有名詞の完全一致が弱い。「製品コード XYZ-100 の仕様」のような問い合わせでは、全文検索と併用したほうが精度が出る。Chroma はベクトル・全文・メタデータを同じ engine で扱えるので、2つの検索基盤を持たずに済む。
他の3つでも、別途 Elasticsearch などを併用すれば同じことはできる。構成要素を減らしたいかどうかで選ぶ。
判断を分ける質問は3つだけ
データを自社インフラから出せるか → 出せないなら Qdrant か Weaviate か Chroma の OSS埋め込み生成も同じベンダーに任せたいか → はいなら Pinecone か Weaviate完全一致の検索も必要か → はいなら Chroma
3つとも「どちらでもよい」なら、Pinecone の Builder で始めるのが最も早い。検索層を抽象化しておけば、後から変えられる。
よくある質問
- Q. PostgreSQL の pgvector では駄目ですか。
- A. 既に PostgreSQL を運用していて、ベクトル数が数十万までなら十分実用的です。専用のベクトルDBが効いてくるのは、規模が大きい場合とフィルタ付き検索が複雑な場合です。運用するデータベースを増やさない価値は大きいので、まず pgvector を検討する順序は妥当です。
- Q. どれが一番速いですか。
- A. 条件次第で入れ替わります。ベンダー各社が出すベンチマークは自社に有利な条件で測られているので、比較には使えません。自分のデータ量とクエリパターンで測る以外に方法がありません。


