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deep dive10分 で読める公開 2026-11-01

n8n vs Zapier — 自前運用とSaaSの分岐点はどこか

業務自動化で名前が挙がる n8n と Zapier は、できることが似ていても課金の数え方と運用責任の持ち方が違う。料金は2026年11月時点で各社の公式料金ページで確認した値。

編

編集部

AI Tools Hub 編集部 · 公開 2026-11-01

n8n vs Zapier — 自前運用とSaaSの分岐点はどこか

結論:運用を自分で持てるかどうか

  • つなぎたいSaaSが多く、運用は任せたい → Zapier(8,000超の連携、無料枠あり)
  • 処理が複雑、または実行回数が多い → n8n(ノードを自由に組める、自前運用で実質無料)
  • 社外にデータを出せない → n8n のセルフホスト(Community版)

1. 課金の数え方

項目n8nZapier
無料Cloud は1,000実行のトライアル/Community版は自前運用で無料月100タスク
最安の有料Starter €20/月(年払・2,500実行)Professional $19.99/月(年払・750タスク)
中位Pro €50/月(年払・10,000実行)Team $69/月(年払・2,000タスク)
上位Business €667/月(年払・40,000実行)タスク数に応じて段階的に上昇
数え方ワークフロー1回の実行=1ステップ1回の実行=1タスク
セルフホストCommunity版・Business・Enterprise で可能不可
2026年11月時点。両社とも月払いの価格は公式ページで要確認。

ここが最も大きな違いである。n8n は「ワークフローを1回動かした」を1と数える。Zapier は「ステップを1回実行した」を1タスクと数える。5ステップのフローを1回動かすと、n8n では1実行、Zapier では5タスクになる。

つまり処理が複雑になるほど Zapier の消費が増える。単純な2ステップの連携を大量に回すなら差は小さいが、分岐と繰り返しを含むフローでは桁が変わる。自動化したい処理の形を先に描いてから料金を比べないと、見積りが外れる。

2. 連携できるサービスの数

Zapier は8,000を超えるサービスに対応しており、ここは圧倒的である。マイナーなSaaSでも既製のコネクタが用意されている確率が高い。n8n はコネクタの数で及ばないが、HTTPリクエストのノードで任意のAPIを叩けるため、APIが公開されていれば結局つながる。

判断の目安は、つなぎたいサービスのAPIドキュメントを自分で読めるかどうかである。読めるなら n8n の自由度が効く。読まずに済ませたいなら Zapier のコネクタに価値がある。

3. AIエージェント機能

両方ともAIエージェントを組める。Zapier は無料プランでも Zapier Agents に基本アクセスでき、月400のエージェント活動が付く。この活動はタスク数とは別の課金単位で、無料プランでは1回の実行が10活動で上限になる。

n8n は LLM ノードとツール呼び出しを組み合わせてエージェントを構成する。モデルのAPIキーは自分で用意するため、モデル費用は実費で別にかかる。そのぶん使うモデルを自由に選べて、社内で動かしているモデルに向けることもできる。

4. セルフホストを選ぶ条件

n8n の Community版は自前のサーバーで動かせる。ライセンス費用はかからず、かかるのはサーバー代と運用の手間である。選ぶ条件は3つに絞られる。

  • 処理するデータを社外のサービスに通せない(規程・契約上の制約)
  • 実行回数が多く、クラウドの実行数課金が割高になる
  • Docker で動くものを自分で面倒を見られる人がいる

3つめが満たせない場合、セルフホストは安く見えて高くつく。アップデート、バックアップ、障害対応が自分に来る。業務フローが止まったときに直せる人が1人しかいない状態は、その人が休めなくなる。

よくある質問

Q. どちらが安いですか。
A. フローの複雑さで逆転します。ステップ数の多いフローを回すなら n8n、単純な連携を少量回すなら Zapier の無料枠や最安プランで足ります。自動化したい処理のステップ数を数えてから比べてください。
Q. n8n のセルフホストは無料ですか。
A. Community版のライセンス費用はかかりません。サーバー代と運用の手間が代わりにかかります。公式ページでも Community版は自前運用が前提とされています。
Q. 両方使うのはありですか。
A. 珍しくありません。社外のSaaS連携は Zapier、社内データを扱う処理は自前の n8n という分け方は実務的です。ただし運用する仕組みが2つになるので、ドキュメントを残す手間は増えます。
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