Dify vs n8n
どちらも「AIエージェントを作れる」と紹介されるが、土台が違う。Dify は LLM アプリと RAG を組む基盤で、処理の中心に AI がある。n8n は業務フローの自動化基盤で、AI はその中の1ノードにすぎない。作りたいものがどちら寄りかで決まる。料金は2026年11月時点で各社の公式料金ページで確認した値。
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結論を3行で
- 社内文書に答えさせるチャットボットを作りたいなら Dify
- SaaS の間でデータを動かす処理が主なら n8n
- どちらも OSS 版があり、社外にデータを出せない組織でも自前で動かせる
- n8n はモデルの API キーを自分で用意するため、モデル費用が実費で別にかかる
Dify
編集部の第一推奨
4.8 / 5.0
AIネイティブな体験で生産性を最大化したい個人・スタートアップ向け。
詳細レビューを見るn8n
コスト・既存環境重視なら
4.6 / 5.0
VS Code やGitHubとの統合を活かしたい組織・大企業向け。
詳細レビューを見るあなたの立場ならこっち
「結局どっちか」を立場ごとに編集部が断言します。比較表を読み込まなくても、自分のシナリオに最も近い1行で意思決定できる構成です。
情シス / 社内DX担当
社内マニュアルに答えるボットを作りたい
Dify
RAG を GUI で組めて、OSS 版なら文書を社外に出さずに済む。まず1部署で小さく作る。
バックオフィス担当
問い合わせメールを分類して担当に振りたい
n8n
AIの判断は分類の1ステップだけで、残りは条件分岐とデータ整形。n8n の土俵。
1人で運用する開発者
両方やりたいが運用を増やしたくない
n8n に寄せる
LLMノードで簡易なRAGも組める。仕組みが1つで済むことの価値が、機能差より大きい。
用途によって最適解は違う
— 社内文書に答えさせたい
Dify
RAG のパイプラインを GUI で組める。ベクトル検索の実装を自分で書かなくてよい。
— 複数のSaaSをつなぎたい
n8n
既製コネクタと HTTP ノードで、API が公開されていれば大抵つながる。
— 社外にデータを出せない
どちらも可
両方とも OSS 版を自前のサーバーで運用できる。差は運用の手間ではなく用途。
— 費用の見通しを立てたい
Dify
モデル費用がクレジットに含まれるため、月額が読める。n8n はモデル実費が変動する。
— 作った後に誰かが引き継ぐ
n8n
フローが視覚的に残るため、作った人以外でも構造を追いやすい。
項目別比較
| 項目 | Dify | n8n |
|---|---|---|
| 基本情報 | ||
| 提供元 | LangGenius | n8n GmbH |
| 主な用途 | LLMアプリ・RAG・社内チャットボット | SaaS連携・業務フローの自動化 |
| 日本語UI | あり | あり |
| 料金 | ||
| 無料プラン | Sandbox(200メッセージクレジット・総量) | Cloud は1,000実行のトライアル |
| 最安の有料 | Professional $590/年 | Starter €20/月(年払) |
| 中位 | Team $1,590/年 | Pro €50/月(年払・10,000実行) |
| 課金の数え方 | メッセージクレジット | ワークフロー1回の実行=1 |
| モデル費用 | プランのクレジットに含む | 自分のAPIキーで実費 |
| 運用 | ||
| セルフホスト | Community版(OSS) | Community版(OSS)/ Business / Enterprise |
| RAG(社内文書検索) | GUIでパイプラインを構築 | ノードを組み合わせて自作 |
| 外部サービス連携 | 限定的 | 既製コネクタが豊富+HTTPノード |
| 分岐・繰り返し | ワークフロー機能あり | 得意領域 |
| 作ったものの公開 | Webアプリ / API として公開 | Webhook / スケジュール実行 |
← 横にスクロールできます →
良い点 ・ 弱点
編集部が両ツールを実プロダクトで1ヶ月以上使った上での率直な評価です。
Dify
◉ 良いところ
- RAG のパイプラインを GUI で組める
- モデル費用がプランのクレジットに含まれ、月額が読める
- 作ったアプリを Web ページまたは API として公開できる
- OSS 版を自前で運用でき、社内文書を外に出さずに済む
◉ 気になるところ
- 無料の Sandbox は200クレジットの総量制で、評価中に尽きやすい
- 外部 SaaS との連携は n8n に比べて限定的
- 投入した文書の更新を自動で追随しない
n8n
◉ 良いところ
- 既製コネクタと HTTP ノードで、ほぼ任意の API につながる
- 分岐と繰り返しを含む複雑なフローを組める
- ワークフロー1回の実行を1と数えるので、ステップが多くても消費が増えない
- Community 版を自前で運用すればライセンス費用がかからない
◉ 気になるところ
- モデルの API 費用が実費で別にかかる
- RAG を作るならノードを自分で組む必要がある
- セルフホストを選ぶと運用の責任が自分に来る
公式ページに書いてないコスト
料金表だけ見ていると見落とす、実運用で発生しがちなコスト・落とし穴。
モデルのAPI費用
LLMノードを使うたびに OpenAI 等の実費が発生する。実行回数に比例するため、フローを増やすほど効いてくる。
セルフホストの運用工数
Docker の更新、バックアップ、障害対応。ライセンスが無料でも人の時間は無料ではない。
ナレッジの更新作業
投入した社内文書は元が更新されても自動で追随しない。更新の手順を誰かの業務に組み込む必要がある。
引き継ぎのコスト
GUIで組んだフローは構造こそ見えるが、「なぜこの分岐があるか」は画面に残らない。設計意図を文章で残す時間を見込む。
12ヶ月フル活用した場合の総コスト
編集部の見立て:2026年11月に各社の公式料金ページで確認した値。n8n は年払いの月額表記しかないため12ヶ月分に換算している。n8n は別途モデルのAPI費用が実費でかかるため、実質の総額はこの図より上になる。
使いこなしのコツ 4 選
ドキュメントを読むだけでは気づきにくい、現場で効く設定・テクニック。
AIの比率で選ぶ
処理全体のうちAIが判断する割合が7割なら Dify、2割なら n8n。この目安で迷いが減る。
Dify のチャンク分割を調整する
社内文書を投入したあと、分割の単位で回答品質が大きく変わる。マニュアルは見出し単位、議事録は固定長が扱いやすい。
n8n はステップ数を先に数える
Zapier と比べる場合、n8n は実行回数、Zapier はステップ数で課金される。フローのステップ数を数えてから見積もる。
部署ごとにナレッジを分ける
Dify で全社の文書を1つのナレッジに入れると、本来見られない情報が回答に出る。公開範囲で分ける設計を最初に決める。
そのままコピペで使える 3 本
Dify / n8n の両方で動作確認済み。日本語コメント・コミットメッセージまで含めた実務向けプロンプト。
社内の{文書の種類}を Dify のナレッジに投入します。チャンクの分割単位を決めたいので、この文書の構造(見出しの深さ・1節あたりの長さ・図表の有無)を踏まえて、分割の候補を3つ挙げ、それぞれで想定される検索精度の違いを説明してください。次の業務を n8n で自動化します。{業務の説明}。必要なノードを順に列挙し、各ノードで扱うデータの形を示してください。あわせて、失敗したときにどこで止めるべきかと、その理由も書いてください。次のフローを月{回数}回実行します。{フローのステップ}。n8n の実行数課金と、各ステップで呼ぶモデルの費用を分けて、月額の概算を出してください。モデルの単価は{単価}とします。完全版(全25本)はメールアドレス登録で無料配布中。 AIコーディング・コードレビュー・PR説明・テスト生成・バグ調査の現場プロンプトを完備。
完全版を無料でダウンロードよくある質問
Dify と n8n の比較で多く寄せられる質問に編集部が回答します。
両方入れる意味はありますか。
あります。社内文書に答えるボットは Dify、その結果を Slack や CRM に流す部分は n8n という分担は自然です。ただし運用する仕組みが2つになるので、ドキュメントを残す手間は増えます。
どちらが学習コストが低いですか。
作りたいものによります。チャットボットを作るなら Dify のほうが手順が少なく、SaaS連携なら n8n のほうが既製コネクタで済みます。どちらも API の考え方(認証・リクエスト・レスポンス)の理解は必要です。
Dify の無料枠はどれくらい使えますか。
Sandbox の200メッセージクレジットは月あたりではなく総量です。使い切ると追加されません。評価の計画を立ててから登録してください。
n8n のセルフホストは本当に無料ですか。
Community版のライセンス費用はかかりません。サーバー代と、アップデート・バックアップ・障害対応の手間が代わりにかかります。これを担える人が1人しかいない状態は避けてください。